第5回 体の五行 その2

今回も体の五行ですが、五臓五腑以外で、それに対応するその他の体の部分について説明します。(五行色体表を参考)

【色体表】
gogyoshikitaihyo

Ⅱ.体

【1】 木(もく)- 春 [ 臓-肝臓、腑-胆のう ]

肝臓病の診断でビリルビン値が指標の1つになっていますが、ここが高値になると白目が黄色になって黄疸になります。

これからもわかるように、肝臓が解毒できないゴミは毛細血管が多い目にたまってしまいます。

初期症状

病気

・眼精疲労・・・目のかすみ、充血
・視力障害・・・乱視、近視、老眼
・病気全般・・・白内障、緑内障、結膜炎、角膜炎、網膜炎、視神経症など

筋肉や骨の接合部分にあたります。

1.抹消神経・・・脳、脊髄神経、自律神経

脳の中枢部(本能)と筋肉や感覚器(目、鼻、耳、皮膚など)を結びます。
特に目は様々な情報を脳に伝える器官なので、肝臓はいつもきれいな血液を送らねば!と一所懸命に働きます。

2.結合組織・・・筋膜、腱や腱鞘、靭帯、関節包など

体を構成する各組織や器官のすき間にあります。主に、膠原線維(コラーゲン)と弾性繊維(ケラスチン)でできています。

肝臓が疲れてくると、自律神経失調症や膠原病をおこしやすくなります。

☆目と筋の関係の例 → 目を使いすぎると肩がこる

初期症状

病気

・麻痺・・・ひきつけ
・麻痺・・・けいれん
→テンカン
→胃けいれん、パーキンソン病、喘息発作
・硬直・・・こむら返り
・軟化・・・脱臼、ねんざ
→多発性硬化症(背髄神経障害)
→股関節脱臼、椎間板ヘルニア
・炎症・・・腱鞘炎、関節炎 →膠原病(リューマチ、多発性筋炎など)

【2】 火(か)- 夏 [ 臓-心臓、腑-小腸 ]

心臓でできた血栓が脳の動脈につまると脳塞栓(のうそくせん)となり、緊急を要します。その時に起きる症状が口のろれつがまわらなくなる・・・つまり、舌の動きが悪くなります。

また、舌の色で心臓の役目である血液循環の状態がわかります。

  • ピンク色・・・正常
  • 赤い色・・・炎症
  • 白い色・・・貧血
  • 暗い色・・・うっ血(汚血)

その他、舌をかみやすい、どもりやすい、舌が痛む、しびれる、舌苔がたまりやすい…

以上のような症状が出ていれば、心臓や小腸が弱っているということになります。
脉・・・血液循環(血行・血圧)

これは前回の心臓のところでも説明しましたが、心臓と血液の状態によって、良くも悪くもなります。

初期症状

病気

・立ちくらみ、めまい →高血圧、低血圧、血管障害(大動脈瘤、脳卒中など)
・動悸、息切れ →心臓病(不整脈、心筋症、心膜炎、心内膜炎など

☆舌と脉との関係の例 → 話に夢中になると体が熱くなる(=熱弁)

【3】 土(ど)- 晩夏(土用) [ 臓-膵臓・脾臓、腑-胃 ]

口は「命の元」となる食物を取入れる最初のところです。まずここで、食べようとする物が良いか悪いか判断します。

  • 味覚・・・美味しいかマズいか-五味(酸、苦、甘、辛、しょっぱい)
  • 温覚・・・冷たいか、熱いか
  • 触覚・・・柔らかいか、固いか

私たちは飢餓に備えて三大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質)を多く取り入れるように、それが「美味しいよ」という情報を脳にインプットしています。それが食欲で、その欲が強いと、大食いになってしまいます。

すると、感覚が鈍って、食べてはいけない物を判断することができなくなり、胃や脾臓を痛めてしまうことになります。

初期症状

病気

・唇のハレ(たらこ口)、荒れ
・ドライマウス
→口内炎、口角炎、口唇ヘルペス、味覚異常
・歯茎のハレ、出血 →歯肉炎、歯周病

肌肉(きにく)

筋肉や皮下脂肪のことです。

筋肉で問題なのは?

筋肉が減る

筋力が衰える

運動や力仕事ができにくくなる

日常生活が困難になる

車椅子の生活や寝たきりになる

皮下脂肪で問題なのは?

皮下脂肪が増える

肥満する

運動や力仕事ができにくくなる

日常生活が困難になる

車椅子の生活や寝たきりになる

両方とも運動機能に問題が出て、いわゆるロコモティブシンドローム(運動器症候群)となり、生活の質(QOL)が悪くなります。

初期症状

病気

・運動機能の低下(転びやすい、階段の昇り降りがつらい、片足立ちがしずらい、長く歩けない、重たい物を持ち歩けない、など) →筋萎縮(筋ジストロフィー)、筋軟化(筋無力症、多発性筋炎、四肢麻痺)

口と肌肉との関係 → 食べ過ぎると太る

【4】 金(こん)- 秋 [ 臓-肺、腑-大腸 ]

肺とつながりがあるのでわかりやすいですね。
呼吸は鼻でするのが正常ですが、鼻炎があると、口で呼吸がしたくなります。

私の二女は小さい頃からいつも「ポカン」と口をあけていたので、「口を閉じなさい!」と年中、注意をしていました。けれど、「口を閉じると苦しい」と言うので、なかばあきらめざるを得ませんでした。

今にして思えば、陰性の食物の摂りすぎで、鼻腔内がむくんで空気の通りが悪くなっていたためなんですね。

口呼吸がなぜダメかというと、鼻は鼻毛というフィルターや細長い鼻腔の通り道があるので、外気の悪い影響を緩和しやすいのですが、口は直接のどとつながっているので肺にダメージを与えやすいからです。

初期症状

病気

・鼻水、鼻づまり →鼻炎、蓄膿症
・咳、のどの痛み →扁桃腺炎、気管支炎、喘息
・いびき →睡眠時無呼吸症候群

皮毛

体の外側の皮膚と内側の粘膜のことです。

皮膚は外の刺激から体を守ってくれます。この細胞が弱いと日焼けしすぎたり、虫にさされやすくなります。固いと毛穴が開きにくくなり、汗を出しにくく、乾燥し、ゴミも出しにくく肌アレをおこします。

逆にゆるみすぎると毛穴が大きくなり、汗をかきやすく、ゴミも出やすくていいのですが、湿疹になったり、ゴミが好きなバイ菌が増え、水虫やカンジダ、ヘルペスなどにかかりやすくなります。

初期症状

病気

・皮膚の変質(しみ、ほくろ、にきび、いぼ、おでき、など) →皮膚ガン
・汗かき →湿疹、水虫、ヘルペス
・肌のカサつき →アトピー性皮膚炎


粘膜は物質の出入りの浸透膜で、代謝活動の中心となっています。毛穴と同様、固いと外から取り入れている空気や食物の吸収、排泄がしずらくなります。

ゆるみすぎると、膜が破れやすく、消化すべきものができなくなり、あちこちにゴミをまき散らしてしまいます。

初期症状

病気

・出血
・潰瘍
・ポリープ
→ガン

☆鼻と皮毛の関係の例 → 寒い空気を吸うと、鳥肌が立つ

【5】 水(すい)- 冬 [ 臓-腎臓、腑-膀胱・生殖器 ]

肝臓と目の関係と同様、耳も腎臓と関係しているとは考えずらいかもしれませんね。でも、耳の構造を知るとガッテン!しますよ。

キーワードは水分です。

耳は音を聴く、という役目であることは誰でも知っていますね。でも、それをどのように脳に伝えているのかをよく知っている人は、それほど多くないと思います。

以下はその伝わり方を表わしました。

音=空気振動

外耳・・・音を集める
中耳・・・3つの耳小骨の働きで空気振動を内耳にあるリンパ液(水分)に伝える
内耳・・・リンパ液の振動が蝸牛管内の膜によって電気振動に変換

脳へ

このようにリンパ液という水分を介して音波が脳へ伝わります。腎臓は血液という水分をろ過する水分代謝の要になっていますね。

つまり、腎臓が悪くなれば内耳内の水分の働きも悪くなり、耳の働きも悪くなる、ということです。

初期症状

病気

・耳鳴り、難聴 →外耳・中耳・内耳炎、耳下腺炎、鼓膜炎
・めまい →メニエール病

腎臓は尿を生成しますが、のどにある甲状腺のホルモンがその量を調節します。

甲状腺ホルモンは骨の代謝に関わっていますので、腎臓が悪くなれば、甲状腺もそれに連動してしまい骨が悪くなります。

初期症状

病気

・関節の痛み →骨粗鬆症
・虫歯 →歯髄炎、歯根膜炎


☆耳と骨との関係の例 → 骨粗鬆症になれば耳小骨もスカスカになるので、骨伝導が悪くなり、きこえが悪くなる。

以上、列記してきましたが、自分史でも書いたように、小さい頃から自分が様々な病気にかかってきたのは内臓の働きの低下だったのだとつくづく思いました。

以下はマクロビオティックをする前の病気です。五行で列記すると

  1. 近眼
  2. 息切れ
  3. 口内炎、歯周病
  4. 蓄膿症、皮膚病
  5. 難聴、骨粗鬆症、虫歯

などなど・・・

けれども、今ではマクロビオティックのおかげで改善されて、生活の質(QOL)が大幅にアップしました。

どうぞ皆さんもぜひマクロビオティックを実践しつつ、マクロビ難民にならないためにもPUを学んで下さいね!

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